「せっかくキャラを作ったのに、スーツ姿を指定したら顔まで変わってしまった…」
「2人登場させたら、顔が混ざって別人に…」
そんな 「複雑なシーン」の悩み を解決するのが、今回紹介する「3層テンプレート」です。
前回(第2回)は、キャラを定義する「素材作り」について解説しました。
今回はその応用・設計編です。
プロンプトの構造を変えるだけで、Geminiの強力な画像認識をコントロールし、どんなに複雑な指示でも“同じキャラクター”を安定して固定できるようになります。
最初の準備だけ少し手間がかかりますが、一度「設計図(テンプレート)」を作ってしまえば、あとは驚くほど時短になります!
💡 この記事でわかること
- Geminiで「複雑なシーン(服装指定・複数人)」を安定させるコツ
- “キャラ層・シーン層・出力層”の3層プロンプト構成とは?
- コピペで即戦力!キャラの顔を固定する「3層プロンプト」の型
⚠️ 本記事は「Gemini Advanced(有料版)」推奨です
最初に結論をお伝えします。今回紹介する「複雑なシーンを実現する3層テンプレート」のテクニックは、AIに論理的な思考をさせるため、非常に高い計算コストがかかります。
そのため、基本的には「Gemini Advanced(有料版)」ユーザー向けの内容となります。
🛑 無料版ユーザーの方へ
無料版でも同じ機能(Thinkingモード)は使えますが、「1日に生成できる枚数」に厳しい制限(数枚程度)があります。
- 有料版:ストレスなく複雑なシーンを量産できます。
- 無料版:「今日は表情シートだけ」「明日はシーンを2枚」のように、数日に分けて少しずつ進める必要があります。
「それでも無料でハイクオリティで、複雑なシーンを作りたい!」という根気のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
🔧 必須設定:「3層構造」を正しく処理できるのはThinkingだけ

必ず、チャット欄のモデル選択で 「Thinking(思考モード)」を選んでください。最初から最後まで、このモードのみを使用します。
今回の肝である「キャラ層・シーン層・出力層」の書き分けは、AIにとって非常に高度な論理処理です。
「顔は画像を守れ」「でも服装はテキストに従え」といった複雑な優先順位を正しく理解できるのは、思考モデルだけです。
- Thinkingモード(必須): プロンプトを論理的に解釈し、「顔の特徴」と「服装の指示」を脳内で明確に分離してから描画できます。
- Flash/高速モード(NG): すべての指示を混ぜてしまうため、「スーツ」と指定した瞬間に、顔まで「一般的なサラリーマンの顔」に書き換えたり不安定です。
🧱 3層構成とは?

3層構成とは、プロンプトを、キャラ層/シーン層/出力層の3つに分けて構成することです。
第2回の方法(全部まとめて指示)だと、AIは「どの指示を優先すべきか」で混乱し、結果として「スーツ姿」の指示に引っ張られて顔が崩れることがあります。
それを3層構成にすることで、Geminiに「これはキャラの定義(最優先)」「これは背景の指示」と明確に伝え、再現率を劇的に高めます。
| 層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| キャラ層 | 固定情報(最優先) | 表情シート(画像)+ 表情リスト(文字) |
| シーン層 | 服装・舞台・動作 | スーツ姿、夜のオフィスで資料を確認している |
| 出力層 | 光・スタイル・比率 | やわらかい光、温かみのあるイラスト調、横長(16:9) |
キャラ層で人物を固定し、シーン層で動作を決め、出力層でトーンを整える。これが安定化の秘訣です。
3層構成プロンプトの完成イメージ
Gemini版の3層構成プロンプトの完成イメージは以下の通りです。
💬 プロンプト例
📎 [ここに「表情シート」の画像を添付する]
◆ キャラ層
- キャラクター名:ソウタ
- 髪型・髪色:短めのブラウンヘア(栗色)、ナチュラルなショートカット。前髪は自然に分かれており、少し跳ねた毛先が快活な印象を与える。
- 目・顔の印象:髪色と同系色の茶色の瞳(ブラウンアイ)。丸みを帯びた大きな目で、眉はしっかりと太め。
- 表情・雰囲気:親しみやすく誠実な好青年。健康的で明るく、裏表のない素直な雰囲気。
- 画風:シンプルなアニメ塗り、主線がはっきりしたイラスト調。
◆ シーン層
夜のオフィス。ソウタがモニターを見つめながら資料を確認している。
スーツ姿で真剣な表情。背景はやわらかい光のデスク周り。
◆ 出力層
やわらかい光、ほのぼのとした、温かみのあるイラスト調。
**アスペクト比 16:9(横長)**、文字なし。
上記の設定に従って、画像を生成してください。
このプロンプトを、次からはじまるステップ1〜4で完成させます。
🧠 ステップ1:キャラ層をつくる
| 層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| キャラ層 | 固定情報(最優先) | 表情シート(画像) + 表情リスト(文字) |
| シーン層 | 服装・舞台・動作 | (これから作成) |
| 出力層 | 光・スタイル・比率 | (これから作成) |
まず、キャラの定義を固定する「キャラ層」を作成します。
これは、「表情シート(画像)」と、「特徴リスト(テキスト)」を組み合わせる作業です。
以下の3ステップで進めます。
- 画像作成:「表情シート(画像)」を生成する
- テキスト生成:「表情シート」の画像ファイルをチャット欄に添付し、「特徴リスト(テキスト素材)」を生成する
- 結合:「表情シート(画像)」と「特徴リスト(テキスト)」を組み合わせてキャラ層プロンプトを完成させる
🖼️ 画像:「表情シート」を生成

まずは、以下の記事で紹介している 「表情シート(画像)」を作成します。(※すでに持っている方は飛ばしてOKです)
📝 テキスト:「特徴リスト」を生成

次に、「特徴リスト(テキスト)」を生成します。
Geminiは画像を読み取るのが上手ですが、時々「画像よりも、プロンプトの言葉を優先しすぎてしまう」ことがあります。
そこで、「外見の特徴」を言葉でも補足(ロック)してあげると再現度が激増します。
ただ、自分で特徴を言語化するのは大変ですよね。
ここはGemini自身に、画像から特徴を抽出させるのが最も確実で近道です。
💬 特徴リスト抽出用のプロンプト(斜体以外コピペOK)
📎 [さっき作った表情シートを添付]
このキャラクターの外見的特徴(髪型、髪色、目の色、雰囲気)を、
画像生成プロンプト用に箇条書きのリスト(日本語)にしてください。
すると、Geminiが以下のようなテキストを返してくれます。
◆ キャラクター特徴リスト
- 髪型・髪色:短めのブラウンヘア(栗色)、ナチュラルなショートカット。前髪は自然に分かれており、少し跳ねた毛先が快活な印象を与える。
- 目・顔の印象:髪色と同系色の茶色の瞳(ブラウンアイ)。丸みを帯びた大きな目で、眉はしっかりと太め。
- 表情・雰囲気:親しみやすく誠実な好青年。健康的で明るく、裏表のない素直な雰囲気。
- 画風:シンプルなアニメ塗り、主線がはっきりしたイラスト調。
この「Geminiが自分で言語化した特徴リスト」をコピーしてメモ帳などに保存しておきます。これがキャラを固定する最強の「呪文(テキスト素材)」になります。
Geminiが生成したリストの中に「青いパーカーを着ている」「ジーンズ」といった服装の情報が含まれていたら、必ず削除してください。
キャラ層には「身体的特徴(顔・髪・体型)」だけを残すのが、あとで自由に着せ替えさせるためのコツです!
✅ キャラ層プロンプトの完成
素材が揃ったので、これらを組み合わせると「キャラ層」の完成です。
| 層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| キャラ層 | 固定情報(最優先) | 表情シート(画像) + 表情リスト(文字) |
| シーン層 | 服装・舞台・動作 | (これから作成) |
| 出力層 | 光・スタイル・比率 | (これから作成) |
💬 完成プロンプト例(キャラ層)
📎 [ソウタ表情シート.jpg を添付]
◆ キャラ層
- キャラクター名:ソウタ
- 髪型・髪色:短めのブラウンヘア(栗色)、ナチュラルなショートカット。前髪は自然に分かれており、少し跳ねた毛先が快活な印象を与える。
- 目・顔の印象:髪色と同系色の茶色の瞳(ブラウンアイ)。丸みを帯びた大きな目で、眉はしっかりと太め。
- 表情・雰囲気:親しみやすく誠実な好青年。健康的で明るく、裏表のない素直な雰囲気。
- 画風:シンプルなアニメ塗り、主線がはっきりしたイラスト調。
この「画像添付+テキスト」のセットが、あなたのキャラの「設計図」になります。これを使い回すテンプレートとしてメモ帳などに保存しておきましょう。
🎬 ステップ2:シーン層を追加(服装・動作の指定)
| 層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| キャラ層 | 固定情報(最優先) | (ステップ1で作成済み) |
| シーン層 | 服装・舞台・動作 | スーツ姿で、夜のオフィスで資料を確認している |
| 出力層 | 光・スタイル・比率 | (これから作成) |
キャラ層ができたら、次はシーン層、つまり「どこで」「誰が」「何をしているか」「どんな服装か」を、プロンプトに追加します。
💬 プロンプト例(シーン層追加)
📎 [ソウタ表情シート.jpg を添付]
◆ キャラ層
- キャラクター名:ソウタ
...(中略)...
◆ シーン層
夜のオフィス。ソウタがモニターを見つめながら資料を確認している。
**スーツ姿で真剣な表情**。背景はやわらかい光のデスク周り。
「キャラ層」と「シーン層」を分離させたことで、Geminiは「顔はキャラ層」を、「服装はシーン層」を参照するようになり、指示が混線しなくなります。
🎨 ステップ3:出力層を追加(世界観の指定)
| 層 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| キャラ層 | 固定情報(最優先) | (ステップ1で作成済み) |
| シーン層 | 服装・舞台・動作 | (ステップ2で作成済み) |
| 出力層 | 光・スタイル・比率 | やわらかい光、温かみのあるイラスト調、横長(16:9) |
最後に出力層、つまり比率、画風、光、トーン、文字の有無などの出力条件を追加します。これが「世界観の統一」を決める層です。
💬 プロンプト例(出力層追加)
📎 [ソウタ表情シート.jpg を添付]
◆ キャラ層
...(中略)...
◆ シーン層
...(中略)...
◆ 出力層
やわらかい光、パステル調。**アスペクト比 16:9(横長)**、文字なし。
🚀 ステップ4: 命令を追加して実行

プロンプトの最後に 「上記の設定に従って、画像を生成してください。」を追加して、実行します。
💬 最終プロンプト
📎 [ソウタ表情シート.jpg を添付]
◆ キャラ層
- キャラクター名:ソウタ
- 髪型・髪色:短めのブラウンヘア(栗色)、ナチュラルなショートカット。前髪は自然に分かれており、少し跳ねた毛先が快活な印象を与える。
- 目・顔の印象:髪色と同系色の茶色の瞳(ブラウンアイ)。丸みを帯びた大きな目で、眉はしっかりと太め。
- 表情・雰囲気:親しみやすく誠実な好青年。健康的で明るく、裏表のない素直な雰囲気。
- 画風:シンプルなアニメ塗り、主線がはっきりしたイラスト調。
◆ シーン層
夜のオフィス。ソウタがモニターを見つめながら資料を確認している。
スーツ姿で真剣な表情。背景はやわらかい光のデスク周り。
◆ 出力層
やわらかい光、ほのぼのとした、温かみのあるイラスト調。**アスペクト比 16:9(横長)**、文字なし。
上記の設定に従って、画像を生成してください。
完成がこちら。

キャラ層で指定した「短めのブラウンヘア」「髪型」を維持しつつ、シーン層の「スーツ姿」「真剣な表情」を完璧に再現してくれます。
⚙️ 応用例:複数キャラで生成する場合

この3層テンプレートが最も威力を発揮するのが「複数キャラ」のシーンです。
各キャラの表情シートを用意し、今回紹介した特徴リストを加えて、キャラ層でそれぞれを定義します。
さらに、シーン層で「左右の配置」を指定してあげると、キャラの融合を防げます。
💬 複数キャラ用プロンプト
📎 [ソウタの表情シート.jpg]
📎 [リナの表情シート.jpg]
◆ キャラ層
- キャラクター1:ソウタ
- 髪型・髪色:短めのブラウンヘア(栗色)、ナチュラルなショートカット。前髪は自然に分かれており、少し跳ねた毛先が快活な印象を与える。
- 目・顔の印象:髪色と同系色の茶色の瞳(ブラウンアイ)。丸みを帯びた大きな目で、眉はしっかりと太め。
- 表情・雰囲気:親しみやすく誠実な好青年。健康的で明るく、裏表のない素直な雰囲気。
- 画風:シンプルなアニメ塗り、主線がはっきりしたイラスト調。
- キャラクター2:リナ
- 髪型・髪色:明るめのブラウンヘア(栗色)、後ろで短く結んだポニーテール(ショートポニー)。顔周りのサイドの髪を少し残している。
- 目・顔の印象:髪色に合わせた茶色の大きな瞳。丸みのある優しい目元。
- 小物:赤いフレームの眼鏡(赤縁メガネ)を常時着用。
- 表情・雰囲気:明るく活発、知的で親しみやすいキャラクター。研究員や理系女子のような雰囲気。
◆ シーン層
オフィスの休憩スペースで、ソウタとリナがコーヒーを飲みながら会話している。**画面左側にソウタ、右側にリナ**。
**リナは白いブラウス、ソウタは青いシャツを着ている。**
背景は明るい昼の窓辺。
◆ 出力層
やわらかい光、ほのぼのとした、温かみのあるイラスト調。**アスペクト比 16:9(横長)**、文字なし。
上記の設定に従って、画像を生成してください。
これで完璧に再現してくれます。
完成がこちら

Geminiは添付された複数の画像を区別して認識できるため、「キャラ1はソウタ」「キャラ2はリナ」と定義し、シーン層で服装まで指定すれば、描き分けが安定します。
❓ よくある質問(FAQ)
- Q3層構成に分けると、なぜキャラが安定するの?
- A
情報を整理することで、AIが「何を優先して描くか」を理解しやすくなるためです。
キャラ層で「誰を描くか(最優先)」、シーン層で「何をしているか(服装含む)」、出力層で「どう描くか」を分けることで、AIが混乱しにくくなります。
- Q表情シートなしでも3層構成を使えますか?
- A
使えますが、精度は格段に下がります。
「表情シート(画像添付)」はGeminiの強力な画像認識能力を活かすための「顔の見本」です。必ず用意し、毎回添付することをお勧めします。
- Qシーン層で服装を指定しても、顔が変わります…
- A
それは「キャラ層(テキスト)」の記述が弱いか、「キャラ層」に前の服装情報が残っている可能性があります。
必ず「キャラ層(テキスト)」からは「服装」の記述を削除し、逆に「髪型や顔の特徴」はしっかり記述してください。
- Q複数キャラを扱うときの注意点は?
- A
各キャラの表情シートを添付し、キャラ層とシーン層の両方でキャラ名を明記することです。
キャラ層で「キャラクター1:ソウタ」「キャラクター2:リナ」と指定し、シーン層でも「ソウタがリナに話しかける」と書くことで、AIが混同しなくなります。
またシーン層で「配置」を指定してください。「左に〇〇、右に△△」と位置関係を言葉にすることで、AIはキャラクターを混同しにくくなります。
- Q指定したはずなのに、急に実写っぽくなったり画風が変わります。
- A
出力層の「画風指定」を強めてみてください。「アニメ塗り」「フラットなイラスト調」など、画風に関する言葉を文頭に持ってくることで、優先順位が上がります。
🌈 まとめ:「設計図」があれば、もうAI創作は怖くない

「毎回ちょっと違う…」という悩みは、今日で終わりです。
そのカギは、AI任せにするのではなく、人間側が構造的にキャラを設計(デザイン)してあげることでした。
今回学んだ「3層構造」は、AIが迷子にならないための「整理術」であり、あなたの意図を正確に伝えるための「共通言語」です。
少し手間に感じるかもしれませんが、一度しっかりとした「設計図(テンプレート)」を作ってしまえば、あとは自由自在。
スーツに着替えさせるのも、誰かと会話させるのも、もう怖くありません。
“キャラがブレない”という絶対的な安心感は、あなたの創作の可能性を何倍にも広げてくれるはずです。さあ、あなたの生み出したキャラクターを、もっと広い世界へ連れ出してあげましょう!



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